便利な保育園が奪う大切なもの4

皆様、こんにちは。

今回は、保育における質の改善についてお話しさせて頂きます。子ども・子育て関連3法に基づく新制度では、消費税増税分のうち0.7兆円が子ども・子育て支援の充実のために、その内の0.3兆 円が保育の質や保育士の処遇改善に充てられる予定です。待機児童解消の為、保育施設を増加、認可外施設を認可しやすくする基準緩和などが行われています。 しかし、規制緩和で無資格の主婦に講習を受けさせて補充した場合は保育の質の低下が考えられます。保育の量的拡充に当たっては、「保育の質」を確保しつつ 行わなければなりません。乳幼児期は人格形成の基礎となる大切な時期であり、保育の質の重要性についてもっと考えるべきです。

政府は、保育の質の改善における具体案として、3歳 児を中心とした保育士の配置基準の改善をすることを発表しています。確かに配置基準を厳格化して、手厚い保育をすることは、質の改善・向上になります。し かし、それと同時に保育士一人ひとりに対しての処遇改善をしなければ、新制度において、保育士不足はさらに悪化していくことが考えられます。保育士の処遇 改善は、保育新制度で非常に重要です。そして、保育の質を向上を考える上では、保育の質を支える仕組みが、長期的に見た子どもの成長にどのような影響を与 えているかという点が重要ではないでしょうか。

さて、次回のテーマも保育の質改善についての予定です。お楽しみにして下さい。

便利な保育園制度が奪う大切なもの3

こんにちは。山浦英太です。今週も保育行政についてお話させて頂きます。

最近は働く母親が増加しています。そのために、乳幼児期の母子関係が時間的に希薄になるのは仕方がありません。しかし、大切な乳幼児期に物理的な母子関係の希薄化以外に、精神的にも母親の子離れを促していき親心の衰退の問題が懸念されています。残念ながら社会の流れには、これを促進させるような育児が、国を挙げて推奨されてます。

日本は労働人口減少を目前にしており、 国は女性の労働力に期待をよせています。しかし、私は、「次代の人間をつくる」最も社会的な仕事は子育て教育であり、育児を他に委託して母親が家庭外に出ることだけが「女性の自立や自己実現」「社会性をもつ」ことでないと、考えています。母親が家庭から出る方がよいと考えるのは、少なくとも子どもが0―2歳児の乳幼児期ではありません。0―2歳児を持つ多くの母親は、仕事を求めて働いているのではなく、家計をたすけるために働いているのではないでしょうか。私は、少なくとも0―2歳児の母親が働かないでも生活ができる社会を目指すべきだと思います。働く女性を支援しようと保育園や託児所を増設することは、女性に働くことを求め、少子化を進行させることにもなるのではないでしょうか。

さて、次回も便利な保育園制度が奪う大切なもの④を連載させて頂きますので、お楽しみにしてください。